ハンカチ*洋裁店の物語*ミニチュア写真日記
今日は
洋裁店の女主人は
白いハンカチの
レースの縁飾りを縫っていた…
いらっしゃい
このハンカチの依頼主はね
自分が洋裁店をはじめて
不思議な仕事が舞い込むようになった
きっかけの方なの…
もう何年になるかしら…
ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー
あれは
植物の本と古いハンカチを持参して
この絵と同じように
花の刺繍を修復してほしいという
依頼だった
誰のためなのか
何に使うのとか
詳細は教えてくれない
頼まれれば
できる事ならなんでもするけれど
刺繍の糸の盛り上がりがリアル
図案と首っ引きで
ようやく完成した
引き渡し日になり
待っていると
依頼主とは別の
上品な老婦人が現れた
本の使い込んだ紙の感じ
その人は
「あぁうれしい…ここにあったんだ
これには大切な思い出があるの
いただいていくは」と言う
しかし
依頼主が違うのだから
困ったと思いながら
待ってもらうことにした
お茶を入れ
ひらいた茶葉のよい香りが漂うころ
依頼主が店にやって来た
中へ招き入れ
ソファーの方を振り返ると
その老婦人はいなくなっていた…
依頼主「どなたかいらっしゃったのですか?」
と問われたので
先刻の老婦人との出来事を話した
すると依頼主は
「母が先に取りに来たようです
喜んでいたなら良かった」
という
「母はずいぶん前に亡くなりましたが
どうしても渡したくて…」
と驚くことを言い続ける
この洋裁店を探していました
ショウウィンドウの隅に
『あなたの叶わなかった想いを届けます』
と書いてあるから…
つづく










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