人生後半の『ほぼ写真日記』

笹の葉8の日々散歩とひとりごと

《ミニチュア写真日記》年の瀬の”こたつ”と猫談義

笹の葉8

クリスマスモードは終了し


ようやく年の瀬感がただよう


ここミニチュア村界隈



こたつ猫



一人で炬燵酒を決め込む男


今日が仕事納めだったらしい…



蕎麦屋「笹八庵」の親父さんが持ってきた


「蕎麦焼酎」は大分減り残りわずかになった





手持ち無沙汰に


先日古物市で手に入れた和食器を並べる


松竹梅の絵柄が正月向けだ





皿は「扇面菊」の古典柄


これも味があるなぁ~


何をのせようかと想像が膨らむ





矢羽根柄の箸置きは大正時代の掘り出し物(らしい)





傍らの長火鉢の鉄瓶がシュンシュンと鳴る


赤く熾きた炭を眺めながら




笹八庵の親父さんならなんて言うかなぁと


ふと頭に浮かび苦笑いする



(想像)笹八庵店主の声:
炭ってもんはね、こんなに熾しやぁいいってもんじゃありませんぜ


カチカチに燃えた炭を少しばかり灰に埋めてっと…なぁ~に灰の中でも炭は静かに燃えるとくらぁ


後ね口幅ったいようですが火鉢の灰はケチっちゃいけないね


灰は四国の「くぬぎ灰」に限りますぜ




そうこうするうちに


本格蕎麦焼酎は空になり


大吟醸酒にとって替わった




何も食べないのも張りが悪いが


今からつまみを作るのも面倒だ


よし笹八庵の親父に頼んでみるか…



すずめ2羽の行灯が目印の笹八庵

蕎麦屋は年の瀬はかきいれ時



おや庭の玉砂利を踏む音が…来たかな



笹八庵店主:だんなぁ~おじゃましますよ





※ひとりごと


前に蕎麦屋の出前シリーズで登場した《笹八庵》


旨い蕎麦が食べたいと思ったら思い出した



ところで猫と言えば


宇多天皇の日記が有名だ《『宇多天皇御記』(『寛平御記』)


宇多天皇の人柄がしのばれる愛猫の記述がある


以下現代語訳を掲載



「暇な時間を利用し、猫について記そう。
 この一匹の黒猫は、太宰府の役人だった者が、
 退官の際に先帝(光孝天皇)に献上したものである。


 その毛色は他の猫とは明らかに違っている。
 他の猫は浅黒い色をしているのだが、
 この猫だけは真っ黒である。
 まるで墨のように真っ黒なのである。
 体は小さく屈むとまるで黍(きび)のように小さいが、
 大きく伸びると弓を張ったかのように長くなる。


 その瞳は針のようにキラキラと光っており、
 耳は匙のようにピンと聳立している。


 臥せると丸くなって足や尻尾が見えなくなり、
 まるで黒い玉(宝石)のように見える。
 そして歩く時には一切音を立てる事がなく、
 あたかも雲上の黒龍である。


 気の導引術を好むようだが、
 毛色が美しいのはそのおかげだろうか。
 また、夜には他の猫よりも素早く鼠を捕まえる。


 先帝は数日可愛がったのち、この黒猫を私にくださった。
 それから5年の月日が経つが、毎朝乳粥を食べさせている。


 ここまで大事にするのはこの黒猫が優れているからではなく、
 あくまでも先帝から賜った猫だからである。
 どんな小さな存在でも大事にしているのである。


 ある日猫に『お前は陰陽の気を宿し、心も体もあるのだから、
 きっと私の心が分かるだろう』と訊ねたところ、
 猫はため息をついたのちに私の顔をじっと見上げ、
 咽を鳴らし、何か言いたけではあったが、
 ついにその口から言葉は出てこなかった」


以上

何とも瑞々しい感性


宇多天皇自ら政治を行った時代が「寛平(かんぴょう)の治」と言って理想的な時代とされるのもさもありなんと思わされる



残念ながら


『宇多天皇御記』(『寛平御記』は寛平元年(889年)に漢文で書かれ、全10巻あったが現存していない


他の書物等に引用されて、現代まで伝わってきたそうだ


来世は人格者の家猫に生まれ変わりたい
(ι`・ω・´)ノ キッパリ!!



うらやまぁ~